電子書籍サービスとは
読書といえば、紙に印刷された本を読むこと以外の選択肢はなかった時代が長く、デバイスと呼ばれる電子機器を使用して保存しているデータを読書する提案は発表当時から画期的であった。
電子書籍サービスのコンテンツもマーケットも発展途上と言えるが、それはこれから電子書籍市場がますます成長する余地がある裏返しでもある。
読書は文字を読めればいいという問題ではなく、紙の手触りやインクの匂い、表紙や装丁のデザインの美しさなど、五感を使って楽しめる総合的な芸術作品と考える人も多い。
そのため、やはり本で読みたいという根強い本派が多いことも事実だ。
しかし近年では、電子書籍の便利さに気付き、その恩恵を受けない理由は存在しないと主張する電子書籍派も増えている。
この章では、改めて電子書籍の定義と解説を行い、そのメリットとデメリットを紹介する。
まずは前提として電子書籍の定義を行い、同じ理解で話をすすめよう。
スマートフォンやタブレットなどのデバイスの進化とネット環境の大幅な改善によって、もはやほとんど全ての情報がデータとして扱えるようになったと言っても過言ではない。
既存の作品も新作もあらゆる本が電子データ化され、電子書籍サービスのサイト上からダウンロードして読むことが可能だ。
電子書籍サービスのメリット
この電子書籍サービスを利用するメリットは数多く挙げられるが、まずは1つのデバイスの中に本のデータを何冊分もダウンロードして保存しておけるため、デバイスを持ち歩くことは本を何十冊も持ち歩いていることと同義であることだ。
本好きの中には何冊もの本を同時進行で読み進めることができる猛者がいるが、重たい思いをして何冊も持ち歩かずに済むから重宝するだろう。
また同じ理屈で、従来のように本棚がいらなくなることも大きなメリットだ。
次に価格の面を挙げよう。
紙や印刷、流通、賃金などのコストが実質必要なくなるため、その上乗せ分だけダウンロードデータは紙の本よりも安価で購入できる。
本にもよるが、平均しても1~2割は安く買えるだろう。
3つ目のメリットは、思い立ったその瞬間に購入できるところだ。
営業時間のある本屋とは異なり、ネットであればいつでもどこからでも読みたい書籍をダウンロードできる。
電子書籍サービスのデメリット
では逆に電子書のデメリットとな何か?
まずはどれだけの量の読書をするかにもよるが、デバイスのストレージ容量が求められるところだ。
大量の本をダウンロードしてデバイスに保存すれば、すぐにデータ容量はフルになってしまう。
読書専用のタブレットがあればまだしも、スマートフォンなどは他にも使う用途があるため、読書用にだけデータ容量は割きづらい。
また最大のデメリットは、五感を刺激する読書体験ができないことだ。
どうしても無機質なデータをデバイス上で利用するため、紙の本が持つ風合いを味わうことは不可能だ。