言語研究の対象ともなる国会会議録検索システム
あらゆる種類の蔵書が保存されていると言われている国立国会図書館。
収められている貴重な本や資料を閲覧したければ、従来は実際に現地に出向いて原本を申請する必要があったが、ネット環境の進化によって今ではオンラインで利用が可能なサービスが登場している。
本好きな人々だけでなく、学生にも社会人にも、歴史的に重要な資料や国会関連資料の閲覧にいたるまで、オンラインで利用が可能になったサービスを紹介しよう。
まず、第一回の国会が開会されたのが、昭和22年(1947年)の5月であり、それ以来連綿と記録され続けてきた衆議院と参議院の両院におけるそれぞれの本会議会議録と、委員会記録、これらを納めたもの総称が国会会議録だ。
世界でも有数の貴重な資料である。
そもそも国会会議録は、戦後の政治史を研究する上で最も重要かつ貴重な資料であり、1947年から今に至る70年以上もの間に国会で交わされた会話の記録でもある。
実際にいつ、誰が、何を発言したのかという記録の面で貴重なことは言うまでもなく、どのような言葉遣いでどのような単語を用いていたのかという、言語学上の見地からも貴重な資料である。
この政治学的にも言語学的にも貴重な資料である国会会議録を、オンラインで閲覧できるようになった。
さまざまな検索ワードで試してみると、意外な人の意外な発言を知ることも可能である。
検索するだけでも楽しめるレファレンス協同データベース
国立国会図書館の膨大な蔵書の中から、図書館利用者が本当に必要な本や資料を探し出すことは簡単だろうか?
素人には難しいだろう。
従来、多くの図書館では、探している情報に関連する蔵書や資料の検索や実際の提供、質問への回答を図書館員に依頼することが可能だ。
これを図書館員の提供するレファレンスサービスという。
これは、事前に想定される頻出質疑へのQ&A資料の作成という形でも行われている。
従来のこのサービスをオンラインでも検索および閲覧可能にしたサービスが、レファレンス協同データサービスである。
一見するとかなりのむちゃぶりとも思えるような検索ワードでも関連資料を提示してくれるため、検索自体を行うだけでも楽しめる。
画像や音源のデータを閲覧可能な国立国会図書館デジタルコレクション
国立国会図書館には、歴史的に重要な資料が数多く納められているが、これらをデジタルデータとして保存する試みはすでに行われている。
このデータをオンライン上で検索し、閲覧できるサービスが国立国会図書館デジタルコレクションである。
例えば、幕末の志士・坂本龍馬の直筆と言われている手紙を画像データにしたデジタル素材を、自宅で気軽に閲覧が可能ということだ。
このデジタルデータは画像だけにとどまらず、1900年代の流行歌や漫才や落語といった芸能の音源データも所蔵している。